週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

西武・伊藤翔 想像を上回る貢献度でチームの力になった新人右腕/即戦力と言われて

 

10月4日のロッテ戦(ZOZOマリン)でプロ初先発。5回2/3を3失点で3勝目を手に入れた伊藤翔


 高校卒業後、四国IL・徳島で1年間プレーして今季、西武入りした伊藤翔。年齢的には19歳と、高卒新人2年目と同級生なだけに、“即戦力”よりも“育成”を最優先とする考え方もできる。実際、本人もプロ入り前は1年目からの一軍での活躍は想像できなかったという。

 だが、入団会見の席で、持ち前のハングリー精神が勝手に口を動かした。

「開幕一軍を目指します」

 さらに、春季キャンプのA班帯同が決まると、自他ともに、その期待値は「即戦力」へと高まっていった。

 そして、オープン戦で結果を出し、自らの力で開幕一軍を勝ち取った。初登板は4月11日のロッテ戦(ZOZOマリン)。無失点で抑えるも、翌日に抹消という悔しさを早々に味わい、5月から8月までは一度も一軍に上がれない時期もあったが、「今はすべてが良い経験であり、勉強です」。ポジティブにとらえ、ひたすらレベルアップだけを求めて精進し続けてきた。

 すると8月28日の楽天戦(前橋)、2対5の7回に登板し、無失点で抑えると、その裏にチームが逆転してプロ初勝利。翌日の同カード(大宮)でも9回、マウンドに上がり、逆転サヨナラ勝ちで連夜の2勝目を手にした。また、結果として雨で流れたが優勝へラストスパートとなる9月14日からの9連戦での先発起用も予定されていた。そして、優勝決定後の10月4日のロッテ戦(ZOZOマリン)、プロ初先発を果たし、5回2/3を投げ、7安打を浴び、5四球を与えたが3失点でまとめ、3勝目を手にした。

「優勝争いの一番大事な試合に僕の名前が先発で出たことがうれしかったですし、期待していただけているのかなと感じました」

 想像を上回る貢献度で、早くも戦力として存在を勝ち取った伊藤。今後のポストシーズンでもチームの力となるべく、腕を振る。

写真=BBM
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング