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中日・鈴木博志 成長途上もフル回転/即戦力と言われて

 

春先の活躍で、昨シーズンの京田に続く2連続新人王も期待されたが……


 支配下登録選手では、今季唯一の社会人入団だった。ヤマハからドラフト1位で竜のユニフォームにソデを通した鈴木博志。抑え志望の即戦力候補は、良くも悪くも強烈な印象を残した1年だった。

新人6選手でただ1人開幕一軍切符をつかみ取ると、中継ぎでフル回転。150キロを超える速球と130キロ台中盤のカットボールを軸に、打者を封じてきた。7月7日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)では、プロ初セーブを挙げた。「9回だと思わずに目の前のアウト一つ一つを取ることだけ考えた」。田島の不調もあり、8月上旬には勝ち試合の最後を託されるようになった。

一方で、交流戦期間中から疲れが如実に表れ、球速はあってもキレがなかった。「体が重い……」。ジムや寮の近くにあるプールに出掛けて疲労回復に努めた。だが、後半戦は試合をひっくり返されることも多くなった。8月12日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)では、1対0で迎えた9回、“天敵”のバレンティンに今季3本塁打目となる3ランを浴び、初めて二軍に降格した。「打たれてはいけない場面。投げたいところに投げきれなかった……」と肩を落とした。

9月25日の同カードも、同点の延長10回にバレンティンを歩かせたことが、敗戦につながった。「技術不足というか、プロ野球選手としてゼロに近い状態」。シーズン最終盤で“迷路”に迷い込んだ右腕。臆さず立ち向かう強心臓を取り戻して、2年目の飛躍につなげたい。

写真=BBM
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