週刊ベースボールONLINE

オーロラビジョン

DeNA・石田健大投手 巻き返しの足がかり/あの悔しさを胸に

 

配置転換された中継ぎのマウンドでは、球速が上がり、ボールが切れていた。この経験を先発に生かしたい


 どこかスッキリしないまま、1年を終えてしまった印象だ。3年連続のCS進出を逃し、セ・リーグ4位という結果。石田健大も責任を感じている1人だろう。「今年は楽しみにしてもらっていいと思います」と自信を胸に迎えたプロ4年目。今永昇太濱口遥大ウィーランドらを押しのけ、2年連続で開幕投手に指名された。

 本拠地・横浜スタジアムで行われた3月30日のヤクルト戦。すべての誤算はここからだった。5回5失点。初回に坂口の2点二塁打で先制を許すと、3回には川端慎吾の2ランに沈んだ。「攻撃にリズムをつくることができなかった」とは反省の弁。4月までの4試合は1勝2敗、防御率3.13と踏ん張ったが、絶対的なエースと呼ぶには物足りない内容が目立った。

 6月を終えた時点で1勝5敗、防御率4.75。それでも、ラミレス監督は左腕への期待値を下げることはなかった。「優勝するために絶対に必要な選手だから」。ファームやリリーフへの配置転換で復調を待ち、7月9日と8月28日の中日戦(横浜)でともに救援勝利をマークした。思い切り腕を振れるショートイニングでは、球速は150キロ前後を計測。「先発で勝つのが理想ですけど、どういう場面でも仕事をすることが目標」と投手としての引き出しを増やした。

 シーズンは23試合で3勝7敗、防御率4.97。満足できる数字ではないが、巻き返しの足がかりは確かにつかんだ。復権をかける2019年。背番号「14」は、静かに熱く燃えている。
写真=大泉謙也
オーロラビジョン

オーロラビジョン

週刊ベースボール各球団担当による、選手にまつわる読み物。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング