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貪欲なベテラン、オリックス・中島宏之が放った劇的弾/後半戦ベストゲーム

 

9月1日の西武戦(京セラドーム)で、中島が自身初のサヨナラ弾で大逆転勝利を飾った


 劇的な幕切れだった。激闘に終止符を打ったのは中島宏之の一打だ。

 9月1日の西武戦(京セラドーム)。最大7点ビハインドから、打線が粘りを見せ1点差まで詰め寄ると、9回無死二、三塁で中島が左翼へ逆転サヨナラ3ランをたたき込んだ。

 プロ17年目で初のサヨナラアーチに「めっちゃうれしいです! サヨナラのチャンスだったので、何とか決めたろうと思いました!」と試合後のお立ち台で、喜びを爆発させた。
 
 前日の8月31日に自力でのCS進出の可能性が消滅した中で迎えた同戦。序盤から投手陣が西武打線に打ち込まれ、4回終了時点で1対8と大きく突き放された。それでも、ロメロの2打席連続弾、8回にはT―岡田の2ランで1点差に迫るなど、空中戦で接戦に持ち込んだ。

 前回、7点差を逆転した2010年6月2日の中日戦(スカイマーク)でサヨナラ3ランを放ったT―岡田は「応援してくれる人のことを考えたら、諦めることはできない。ぶざまな試合を見せてはいけない」と語る闘志を逆転劇につなげる一打で体現した。

 そして、この試合チーム4本塁打目となる中島の劇的弾で締めくくった。36歳のベテランは「今でも野球は楽しいと思っているし、良いところでは(自分が)打ちたいと思っている」と貪欲だ。今季限りでチーム最年長の小谷野が引退。来季から野手最年長となる中島の存在がより大きくなることは間違いない。そう思わせる活躍を、大逆転劇で見せつけた。

写真=佐藤真一
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