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DeNA・ラミレス監督 執念の「マシンガン継投」/後半戦ベストゲーム

 

勝負どころの1戦や、短期決戦では思い切った采配で強さを発揮するラミレス監督。続投が決まった来季、シーズンを通しての采配に関しては見直す必要がありそうだ。その手腕に注目が集まる


 ラミレス監督の本領発揮だった。3年連続のクライマックスシリーズ(CS)進出へ後がなくなったDeNAは、9月の最後に勝負の12連戦を抱えていた。2勝1敗で迎えた4戦目、9月24日の広島戦(マツダ広島)で指揮官は、一戦必勝に懸けた執念の「マシンガン継投」を繰り出した。

 3回に4点を奪って逆転しながら、直後に1点差に迫られ、なおピンチ。ラミレス監督は早くも先発・濱口遥大からエスコバーへの交代を告げた。エスコバーが石原慶幸を併殺に打ち取って切り抜けると、6回には勝ちパターンの一角である三嶋一輝を投入。7回以降も三上朋也砂田毅樹をワンポイント、パットンも打者2人と小刻みに投手をつぎ込み、9回のクローザー、山崎康晃まで計7投手のリレーで競り勝った。

 昨秋のCSでも先発を1イニング限りで代えるなど大胆な起用で日本シリーズ進出を勝ち取ったラミレス監督は「ここ(マツダ広島)に来ると昨年のCSを思い出すね」とほほえむ。そして自身の采配について「ここまで来れば、短期決戦のような考え方になる」と口元を引き締めた。

 翌日25日の同カードでは国吉 佑樹を2年ぶりに先発マウンドに送り、またも細かく継投して勝利。10月3日のヤクルト戦(神宮)は逆転こそならなかったが、先発京山将弥の状態が悪いとみるや2回から継投に入って相手打線を8イニング無安打に封じた。Aクラス入りに執念を燃やすラミレス監督の勝負勘がさえ渡っていた。
写真=小山真司
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