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日本ハム・大田泰示 北の大地で覚醒した才能/あのドライチはいま

 

超攻撃型二番として日本ハムに欠かせない存在となった大田


 高い潜在能力を疑う者はもういないだろう。大田泰示がまた新たな魅力を発揮した。強打の二番打者。日本ハムが目指した攻撃型オーダーの肝として、特に前半戦は目覚ましい活躍だった。「難しさはあるけど大胆に」。日本ではつなぎのイメージが強い打順でも、自分の特長を出し切ることを打席でも貫いた。

 4月24日のオリックス戦(札幌ドーム)から二番に定着。空振りを恐れず、フルスイングを続けた。前半戦だけで13本塁打、47打点。打点数は昨季にマークした自己最多の数字を早くも超え、本塁打もキャリアハイの15本(2017年)にあと2本。オールスターにもプラスワン投票で選出された。

 だが夢舞台への初出場を決めた矢先のアクシデントが、大田自身もチームにとっても痛かった。7月8日のロッテ戦(ZOZOマリン)で左手小指に死球を受け、骨折。後半戦は二軍でリハビリ生活からスタート。一軍復帰は8月下旬、約1カ月半の離脱を余儀なくされた。チームの得点力も大きく低下し、順位は2位から3位へ後退。大田も戦列復帰後は前半戦のような弾け方はできなかった。

 ただ、故障に影響されなかったのはガッツあふれるプレースタイル。時折見せる気迫のヘッドスライディングは大田の十八番。気持ちを前面に出してチームを鼓舞しながら、主力に求められる役割の1つを日本ハム移籍2年目で果たしている。かつて巨人に1位指名された大器は北の大地で才能を開花させ、新境地を切り開いている。

写真=BBM
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