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西武・森友哉 “打てる捕手”へ確かな一歩を踏み出した2018年/あのドライチはいま

 

今季、主戦捕手としてチームを10年ぶりの優勝へ導いた森


 本人はもちろん、球界全体からも“打てる捕手”として期待されプロ入りして5年。ついに実現の時を迎えたと言っていい。

 ここまで、森友哉が歩んだ道は決して平たんではなかった。1年目、ファームで打率.341、5本塁打、41打点と文句なしの成績を挙げ、自らの力で一軍昇格を勝ち取った。そこからが圧巻だった。8月14日から3試合連続本塁打の偉業を記録。だが、皮肉にも、そのあまりに強烈すぎる打撃能力が、捕手としての成長を足踏みさせることとなる。

 2、3年目は打撃への負担を軽減するためDH、外野手での出場が主となった。一時は外野手専念の選択肢もささやかれたほどだ。だが、本人はあくまで「捕手で勝負したい」を貫徹。ようやく昨季、初めて春季キャンプから捕手に専念し、“打てる捕手”への本格勝負がスタート。しかし、オープン戦期間中の死球で骨折し、シーズンの大半を棒に振る苦渋を味わう。

 そして、今季ついに主力捕手としてシーズンを戦い抜いた。出場136試合中、74試合でスタメンマスクを任され、多和田のリーグ最多勝も演出。打撃面も、打者に専念して最高成績を残した2015年とすべての項目で遜色ない成績を残し、攻守にわたり優勝に大きく貢献。「リード面などに悩み、試合に出るのが怖い日もあったと思う。でも、(捕手)1年目で優勝できるのはすごい」と成長を見守ってきた秋元コーチも話す。

「自分の理想像に少しずつ近づいているのかな」と森。球界を代表する“打てる捕手”へ、確かな一歩を踏み出した。

写真=BBM
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