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ヤクルト・原樹理 悔しさを原動力に再びはい上がる/あのドライチはいま

 

一時は中継ぎに回ったが、得るものも多かった


 もがき、苦しみ、確かな成長曲線を描いている。2016年、東洋大から入団した原樹理だ。今季は開幕から先発ローテ入りをするも、勝てない日々が続いた。シーズン途中には中継ぎも経験。なかなか抜け出せない暗いトンネルでも、前だけを見続けた。

「チームに迷惑ばかりかけてきた。勝つのが難しいことは分かっている。特別な1勝になった」

 夏場、先発に再転向。8月2日の広島戦(神宮)で7回1失点と好投し、先発再転向後初勝利を挙げて喜びをかみしめた。その後は順調に白星を重ね、9月14日の阪神戦(甲子園)では、8回無失点。チームをリーグ2位へ大きく前進させる白星を挙げた。これには「緩急も使えていたし、ナイスピッチング」と小川監督。田畑投手コーチも「言うことはない。雨の中、集中力を切らさずに投げてくれた」と賛辞を贈った。

 15年秋のドラフト会議。当時、明大の高山(現阪神)を競合の末に獲得できず、その外れ1位として指名されたのが原だった。「まさか1位で呼ばれるなんて……。持ち味はシュートとスタミナです」と初々しく語っていた青年は、いまやヤクルトの先発陣には欠かせない存在になっている。

 今季は30試合で6勝7敗、防御率3.09。クライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦の先発を任されるまでに成長した。敗戦投手となり「こういうところで抑えられる投手になりたい」と唇をかんだが、悔しさを糧にさらなる高みを目指す。

写真=BBM
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