復活の手掛かりをつかみつつある藤浪。来季が楽しみだ
新しいシーズンの姿を模索してきたのは
藤浪晋太郎だ。12月に突入してからも「いろんな施設に行ってトレーニングしたい」と体を休めるつもりはない。エース候補と認められてきたが、数字が物語っているように、シーズンを重ねるごとに、パフォーマンスを上げていくことが難しくなっていった。
藤浪がようやく一軍に定着したのは9月中旬だった。金本前監督が「やっとつかんでくれた」と振り返ったのは、2年ぶり完封勝利を収めた名古屋でのマウンドだ。9月29日の
中日戦(ナゴヤドーム)で、134球を投じて5安打ゼロ封劇を演じた。結局、5勝(3敗)止まりに終わったが、復活の兆しも見せる。
そのイメージを持って取り組んだ秋季キャンプでも、右肩の張りを考慮しながらブルペンにこもった。右ヒジの使い方を工夫するなど本来の姿を見いだした。「コンディションも不安なくやれましたし、自分と向き合う時間を長く過ごせたのは良かったと思っています」
金本前監督が指揮を執った3シーズンでは15勝19敗に終わっただけに矢野新監督1年目の先発ローテーション入りが保証されているわけではない。「もっとシーズン序盤から勝っていけるように、もっと早く結果を出せるようにしたい」
今や投手陣の中でも中堅クラスで、復活の手掛かりをつかみつつある藤浪。「来年こそ」と心機一転で再スタートを切っている。