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中日・大島洋平 安打製造機はメンテナンス中/記録への挑戦

 

目標は200安打と、大島の意識は高いところにある


 一度狂った歯車が再びかみ合うタイミングは、最後まで訪れなかった。竜の安打製造器が味わった苦悩のシーズン。141試合、打率.274、161安打は、並の打者なら及第点ではある。しかし、大島洋平にとっては極まりなく不本意な成績ばかりだ。

「自分の中で200安打は目標としている数字」。その大台に到達すれば、首位打者と最多安打のタイトルにも手が届く。プロ3年目の2012年に172安打をマークして以降の7年間は、1シーズン平均159安打。それほどの安定感と技術を有しながら、容易には乗り越えられない壁として「200」がそびえ立っている。

 今季最大の反省として残るのが、2度の死球とその後遺症だ。4月5日の巨人戦(ナゴヤドーム)で右ヒジに受け、その後のバットコントロールを狂わせた。6月7日のDeNA戦(同)で受けた左手首は、実は骨折していた。「今年はパワーが落ちていた。当たっても微動だにしない体をつくっていきたい」。

 すでに、自らにオフの課題を設定して動き始めている。例年なら1月下旬の自主トレで掛けるレベルの負荷でトレーニングを実施。並行して、瞬発力やスピードを磨き直す作業にも着手している。目指すのは「打球の飛距離ではなく、体の中で使える力を引き出すこと」。過去最高は2014年の186安打。球団初のシーズン200安打に向け、10年目を迎える安打製造器のメンテナンスは着実に、ハイピッチで進んでいる。

写真=BBM
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