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広島・赤松真人 二軍実戦復帰の段階終え、一軍目指す/区切りのシーズンを終えて

 



 大きな一歩を踏み出した18年シーズンだった。赤松真人は胃ガンからの再起という前例のない歩みの中で、待望の実戦復帰を果たした。「あっという間だった。病気明けで不安もあったが、ワクワクして純粋に野球をやっていた」と、この1年間を振り返った。

 2月春季キャンプに2年ぶりに参加。3月の教育リーグ中日戦では、16年日本シリーズ以来15カ月ぶりに実戦出場した。ウエスタン・リーグで少しずつ出場機会を増やし、7月21日のオリックス戦(富田林)で本塁打も放った。

 ガンを告知されたときに生存率は50パーセントと言われた。「仲のいい先生から、普通に『ガンっぽいね、ガン』と言われた。ウソでしょと。自覚症状がまったくなかったから」。今はサラッと語るが、当時はそれどころではない。

「野球ではなく、どう生きるか考えていた」。担当医から野球を続けるために副作用の少ない治療法を勧められたが「きついほうを選んだ。だって、生きるか死ぬかだから」。抗ガン剤の影響で手足がしびれた。手術で胃が半分になったため、多く食べて嘔吐(おうと)したこともある。厳しい状況下でも必死にリハビリを続け、グラウンドに戻ってきた。

 今季ファームでは55試合に出て打率.237、1本塁打、5打点。得意の足を生かして5盗塁も決めた。成功率100パーセントだった。そして来季の現役続行が決定。「まずは二軍で結果を出さないと」。最終的な目標は、以前のように一軍で戦力になることだ。

写真=BBM
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