『完全日本一』のため、工藤監督は2019年の春季キャンプで厳しいメニューを課すことを決めた
3年連続日本一がかかる2019年は、
工藤公康監督がこれまで以上の気迫で臨むシーズンとなる。18年はリーグ2位から、球団初となる下克上を達成。2年連続の頂点に、11月のパレードには史上最多37万人が集結した。
だが、同月末に行われたスポンサーパーティーにビデオ出演した孫正義オーナーが「シーズン2位というのは、スカッと心から喜びを爆発させるにはちょっと残念な結果になりました。やっぱり1番以外は嫌なんです。性格的に2番は受け入れられない」と発言。19年は是が非でもリーグの覇権を奪回した上での『完全日本一』と、総帥から強く厳命された。
6.5ゲーム差を離されての2位という悔しさを味わった指揮官も、もちろんそのつもりだ。「来年はかなり厳しいキャンプになります」と予告。春季キャンプでは若手、ベテラン問わず、第2クールまではランニングを中心としたメニューを課す考えだ。
すべては18年の反省が根底にある。開幕直後から
サファテ、
岩嵜翔と17年のリーグVと日本一を大きく支えた救援陣が故障離脱。先発陣、野手陣にも故障者が続出した。規定投球回数に届いた投手はゼロで、野手の全試合出場はわずか2人。本来なら投打に充実した戦力を誇るが、故障離脱者の続出が原因で特に夏場まで苦しすぎる戦いを強いられた。
「ホークスは勝たないといけない。まず1シーズンを戦うための体力」。春の宮崎であえて“鬼”となり、覇権奪回へ向けた“土台”を作る。
写真=小山真司