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ロッテ・涌井秀章 背番号18を背に通算10度目の偉業へ/いざ、開幕投手へ!

 

キャンプ初日の紅白戦で先発するなど精力的に調整を続けている涌井


 それは涌井秀章の野球人生にとって大きな転機とも言える出来事だ。だが、心の奥底で燃える思いをなるべく悟られないように、「ちなみに背番号、変えました」とさらりと言った。マウンドと同様、クールな無表情だった。

 昨季は4年連続で開幕投手を任されながら、不調による二軍降格も経験するなど、7勝9敗、防御率3.70。移籍2年目の2015年には最多勝に輝いたが、2ケタ勝利はそれを含めても5年間で2度だけだった。自分を駆り立てるものが欲しかったとき、あこがれの背中が浮かんだ。

「一番は松坂さん(松坂大輔中日)がまた18番を着けたので。自分も着けたいなと思いました。プロ入りからずっと、追いかけてきた背中。いいタイミングで着けられた」

 横浜高の先輩としてあこがれ、西武時代は09年から「18」を継承し、同年に最多勝、沢村賞に輝いた縁起のいい数字でもある。

「また、イチからの競争になると思うが、後輩たちには渡せないというのはある。それくらい開幕投手は特別」と、5年連続の大役にも意欲を見せる。任されれば元西武・東尾修に並ぶ史上5位タイ10度目の偉業だ。5、7勝に終わった17、18年はチームも6、5位と低迷。チームの浮沈はエースの出来に懸かる部分が大きい。

「まだまだ、老け込む年齢ではないですからね。目標は優勝。チームの柱として投げ続けたい」。その背中に新たなモチベーションを得た涌井は、完全復活への意欲と自信をみなぎらせている

写真=BBM
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