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DeNA・倉本寿彦 軽快な守備で猛アピール/レギュラー争いダークホース

 

守り慣れた遊撃のポジションで勝負をかける


 静かな闘志が燃えたぎっている。沖縄・宜野湾キャンプでひときわ軽快な動きを見せたのが倉本寿彦だ。昨季は阪神からFA宣言した大和の加入を受けて二塁にコンバートされ、プロ入り4年目で自己最少の85試合出場にとどまった。春季キャンプ前には首脳陣に、「もう一度遊撃で勝負させてほしい」と直訴。その強い決意をプレーでも示している。

 一昨年は遊撃で全試合出場を果たし、チーム19年ぶりの日本シリーズ進出に貢献した1人。ほとんど経験のなかった二塁転向は「迷いが生じてしまった」と振り返る。これまでより一回り小さめのグラブを試し、遊撃とは体の使い方が逆となる併殺プレーを入念に練習するなど、昨年キャンプでは適応に腐心した。しかし、負担はバットにも影響を及ぼし、打率.232と低迷。ラミレス監督の「九番・打者」構想を支えてきた勝負強さは影を潜めた。

 ラミレス監督は1月に、今季も遊撃・大和との構想を早々に明かした。それでも倉本は実戦に入ると少ない打席で安打を重ね、守備でも三遊間の難しい打球をさばくなどアピールを続けている。永池恭男内野守備走塁コーチは「かなり絞ってきた。動きが良い」と認めた上で「しっかり勝負させてあげたい」とノックなどの守備練習では遊撃に入る時間を増やした。

 契約更改では「レギュラーを取るために準備したい」と巻き返しを誓った28歳。昨季本塁打王のソトが二塁に回った内野手の争いは熾烈だが、気持ちは錆び付いていない。

写真=大賀章好
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