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ソフトバンク・松田宣浩 背番号「5」に復調の兆しあり/生え抜きの意地

 

今年も松田宣の一発、「熱男ー!」に球場中が沸く


 長く主力を張ってきた男が、まさに今季にかける意地を込めた一発を放った。3月3日の阪神戦(ヤフオクドーム)。2点を追う初回二死満塁で、追い込まれた松田宣浩メッセンジャーの投じた4球目の146キロ直球を左中間スタンドにたたき込んだ。オープン戦1号となる逆転満塁アーチ。ダイヤモンドを一周すると、スタンドのファンに向かい、今季初の「熱男ー!」を披露した。「キャンプ中の実戦で本塁打が出ていなかったので、早く打ちたいと思っていた」。5月で36歳を迎えるベテランは、若手のように白い歯をこぼした。

 昨季まで4年連続全試合に出場するなど、名実ともにチームの顔の1人であるが、14年目の今季は定位置を約束されていない。昨シーズンの打率は、2008年のレギュラー定着後ワーストとなる.248。打撃不振からCSと日本シリーズの短期決戦ではスタメンを外された試合もあった。その際に代わって三塁を守ったグラシアルは、松田宣が満塁弾を放った3日の阪神戦で6回に3ランをマークするなどオープン戦でも好調さをアピール。外国人枠の兼ね合いもあるが、松田宣にとってレギュラーは安泰ではない。

 今年は「安打数を増やすこと」を目標に掲げ、春季キャンプでは右方向への打撃をこれまでになく意識し取り組んできた。コンタクト率を上げるため両ヒザを伸ばした新打法にも着手。3年ぶりに背番号を「5」に戻した“熱男”が、勝負の年に必ず生え抜きの意地を見せる。

写真=湯浅芳昭
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