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広島・曽根海成 代走、内外野守備固めに代打も/ユーティリティープレーヤー

 



 クリーンアップの攻撃力が目立つ広島にあって、渋い働きでチームを支えるのが曽根海成だ。主な役割は代走と守備固めで、守りは内外野兼任。代打のケースもある。どんな場面で指名されても100パーセントの力を発揮できるよう、毎日準備を整え、試合に入るとアンテナを四方に張り巡らせて備える。

 曽根の1日は長い。ナイターであっても、ホームゲームなら午前中にグラウンドに出てアップを始めるのは当たり前。あらゆるケースでの出場を想定しなければならず「(可能性のある)全部のポジションを守って準備する」ことをノルマにしている。もちろん、出場機会を増やすため打力アップにも取り組む。ゴムチューブを体に巻きつけて脇を締めて打つ練習を、東出打撃コーチからつきっきりで教わった時期もあった。

 準備が報われたプレーがあった。5月3日の巨人戦(マツダ広島)。3対3に追いつかれた後の8回一死一、三塁の場面。代走から出場した三塁走者の曽根は、西川の浅い左飛でタッチアップ。送球がそれる間に鮮やかに本塁に滑り込んだ。廣瀬サードベースコーチと事前に想定していたとおりのプレーで、最高の走塁で勝ち越し点を奪った。廣瀬コーチからも「曽根がよく走りました」とたたえられた。

 曽根はそれでも、スーパーサブの立場に満足はしていない。「レギュラーを取るつもりでやっています。そう思わなくなったら終わり」。一つひとつのプレーでチームからの信頼を重ねていき、いつかは守備位置を奪い取る。

写真=BBM
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