すっかりチームに溶け込んでいる。今季から新加入したW.バレンティンは2月1日の春季キャンプ初日から懸命に汗を流す。持ち前のパワーで打撃練習ではサク越えを連発。「日に日に動きは良くなって来ている」と手応えをにじませる。
昨季、チーム本塁打数はリーグトップの183本をマークしながらも、得点数は同4位の582。攻撃力アップのためのキーマンとして、NPB通算288ホーマーの大砲を迎え入れた。また、今季から外国人枠を外れることもチームにとっては大きい。そのことを分かっているからこそ、バレンティンもポジション、打順にこだわりはないという。DH制を採用するパ・リーグに来たとはいえ、チームにはA.
デスパイネが。試合に出場するためには守備強化も大事なポイントとなる。
2月6日に行われた春季キャンプ初のシートノックでは
長谷川勇也とともに左翼に入り、打球をきっちり処理して無失策。その姿に
工藤公康監督は「キャッチボールを見ていても、しっかり投げている。実際の守備でも今の自分が出せる全力を出している」と評価した。また外野守備だけにとどまらず、さまざまな可能性を探るため、今後に関しては「(一塁手起用も)本人の気持ちがあれば時期も含めて考えます」との意向も示している。
一塁守備もOKとなれば、起用の幅はさらに広がる。「新たなチャレンジ」はバレンティンが移籍を決めた大きな理由の一つ。自身にとっても、チームにとっても、プラスの効果をもたらし、3年ぶりのリーグ優勝、4年連続日本一に突き進む。
写真=湯浅芳昭