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ソフトバンク・板東湧梧 悔しさを忘れずに/2年目の成長

 

一軍初登板を目指す板東


 地に足を着け、涼しい顔でアウトを奪っていく。打者9人で内野ゴロ6つ。制球ミスなく低めに集めた証左だ。プロ2年目の春季キャンプ、立場は二軍相当の「B組」。キャンプも終盤の2月23日、社会人チームとの練習試合で、板東湧梧は地道にアピールしていた。

 4回から登板。先頭打者を歩かせたが、次打者を遊ゴロ併殺打に打ち取った。6回までの3イニングを無安打無失点。この日の最速144キロと100キロ台のカーブでギャップをつけ、打者との間合いを制した。「先頭打者への四球は絶対にやってはいけないけど、しっかり気持ちを切り替えられた。回を追うごとに良くなったと思います」。自身はJR東日本出身で、練習試合の相手は今年のドライチ・佐藤直樹の古巣・JR西日本。それも不思議な巡り合わせではあった。

 チームは千賀滉大の調整が遅れ、昨季の新人王・高橋礼も負傷で開幕時点は無理させられない状況。人材豊富なはずの先発の人繰りに苦慮する、不測の事態に直面していた。そんな中で松本裕樹とともに3回無失点。工藤公康監督に「いい形で来ているんじゃないか」と認められ、森山良二投手コーチにも「2人とも制球が良く、崩れる感じがない。(先発)ローテに入ってくる可能性はもちろんある」と言わせた。

 1年目の昨季は期待されながらインフルエンザの不運も重なり、同期支配下5投手で1人だけ一軍登板なし。「もちろん悔しさは忘れていない。とにかく結果を出し続けるしかない」。後方からまくるイメージでいる。

写真=BBM
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