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中日・福谷浩司 故障から復活して先発ローテ入りへ/今季はひと味違います!

 

ドライチの巻き返しなるか


 昨季はたった1試合の登板だった。それでも福谷浩司が新たな可能性を感じさせるには十分だった。先発の資質あり。その後は左腰椎椎間板ヘルニアを発症し離脱した。長く、地道なリハビリ。春季キャンプも二軍スタートだったが、段階を踏み、先発ローテ争いに加わってきた。

「キャンプが(二軍の)読谷組だったので、開幕(ローテ)はないなと思いました」。これが福谷の本音だった。まずは万全の状態にコンディションを持っていく。一軍を見据えるのは、その後の4月、5月と考えていた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、3月20日だった開幕が延期。いまだ不透明とあって、結果的には間に合う形となった。

 腰の不安は消えつつあっても、無意識のうちにかばってしまい、肩などにこれまでなかった張りが出ることもある。オフに通った三重県津市にある『みどりクリニック』では、体に負担の掛からない投球フォーム習得に取り組んだ。まだ完成はしていないが、手応えは得ていた。

 2012年秋のドラフトで1位指名された男も、近年は満足いく成績を残せなかった。昨シーズン末には戦力外通告を覚悟したそうだ。もちろん球団は先発転向で開花しかけた才能を手放すはずなどなかったが、福谷は「拾ってもらった命」と言う。

「体の状態を含め、まだまだ伸びしろがあると思います。感覚は別物なので、昨年との比較は難しいけど、昨年を超えるつもりでやっています」。先発・福谷が頭角を現すのは今季。これまでとまったく違った数字を残せるはずだ。

写真=BBM
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