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西武・平良海馬 理想の直球は「ホップする、伸びのある球」/わがチームの速球王

 

昨季、剛球を武器に26試合に投げ2勝1敗、4ホールド、防御率3.38をマークした平良


 この男の出現は昨シーズン、チーム最大の収穫だったと言っていい。高卒2年目の平良海馬。デビュー戦となった7月19日のオリックス戦(メットライフ)では、投じた直球全11球中9球が圧巻の150キロ超え。9回を3人で抑えチームに流れをもたらすと、その裏、金子侑司の本塁打で同点に追いつき、延長11回裏に中村剛也の通算400号本塁打でサヨナラという劇的勝利の立役者となった。また、8月27日の日本ハム戦(釧路)では、球団最速タイとなる158キロをマークし、一層注目される存在に。今季は本格的な戦力として計算されており、開幕から勝利のパターンの一角でのフル稼働が期待されている。

 チーム屈指の速球投手だが、本人は「球速よりも、自分が思ったところにしっかりと強い球を投げることが大事」と一貫して言い続けてきた。その思いは現在も何ら変わりはないが、開幕に照準を置いてのキャンプ、オープン戦を経た調整段階においては、さすがに気にはなるという。3月13日、ヤクルトとのオープン戦(メットライフ)で今シーズン初めて155キロを計測した際には、「なかなかスピードが上がってこなかったのですが、これで安心しました」とはじける笑顔を見せた。体、頭をともに155キロを投げる感覚に戻し、いつペナントの開幕を迎えても準備万端な状態だ。

 20歳の剛腕にとって、スピードボールは自身の状態の「1つの指標」だとキッパリ。「真っすぐで150キロ台後半を投げていれば、そうそう打たれることはない。それができているときは、調子が良いときです」。あくまでこだわるのは「ホップするイメージの、伸びのある球」。自主練習中の今も、徹底的に理想の直球を追求している。

写真=BBM
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