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日本ハム・宮西尚生 「生けるレジェンド」の大記録の行方は……/生え抜きの輝き

 

北の鉄腕サウスポーの存在は今シーズンもチームに欠かせない


 生え抜き最年長の宮西尚生はプロ13年目を迎えてもなお、第一線を走り続けている。もちろん今季も投手陣の精神的支柱であることは間違いない。投手だけでなく、野手とも積極的にコミュニケーションを図るなど、その存在感は唯一無二だ。昨季オフの契約更改時には、チーム戦略の「ショートスターター」について球団側へ改善案を進言するなど、どんな場面でも物怖じしない強さも兼ね備える。そこには、ほかの追随を許さない実力、実績があるからこそ発する言葉にも説得力がある。

 残してきた数字を振り返ると、あらためて「生けるレジェンド」であることが浮き彫りとなる。通算ホールド数は337でプロ野球記録を更新中。通算試合登板は684試合で、こちらは球団記録を更新中だ。さらに新人から12年連続で50試合以上登板を継続中。これはパ・リーグ最長記録でもあり、プロ野球記録の中日岩瀬仁紀の15年連続まで、あと3年と迫る。今季は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、シーズン試合数の現象により継続できるかが微妙ではあるが、廃れることはない偉大な記録だ。

 海外FA権を行使せず、球団と2年契約を結んだ2018年オフには「僕の腕が使えるまではファイターズの一員としてプレーしたい」と話し、生涯ファイターズをあらためて宣言。球団幹部も「彼にファイターズでユニフォームを脱いで欲しいという気持ちは変わらない」と最大限の信頼を言葉にした。日本ハム一筋であり、中継ぎ一筋のプロ野球人生。今年で35歳となる宮西にとって開幕の遅れは惜しいとも感じるが、どんな修羅場もくぐり抜けてきた鉄腕サウスポーなら、こんな苦境も打破する快投を、きっとまだまだ見せてくれるはずだ。

写真=BBM
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