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ソフトバンク・中村晃 グラウンド外でも大忙し/生え抜きの輝き

 

春季キャンプで行ったインタビューでも選手会長の役割について語っていた中村晃


 ホークス一筋13年目の生え抜きは、非常事態でもチームの先頭に立って動いている。今季から選手会長に就任した中村晃。開幕日が決まらず、自主練習が続く中、もどかしさを口にした。「やりづらさはある。それでも練習ができないと不安が増える。こういう形であってもやれる状況は良かったと思う」とPayPayドームで汗を流した。

 自主練習を可能にしたのも選手会長としての働きかけがあったからだ。チームは一時活動を全面休止したが、球団との話し合いを持ち、自主練習での施設使用を再開させた。球団とのオンライン会議にも出席。「こういう状況なので、野球の練習をやっていてもいいのかといった思いも正直ある。だからこそ、自分たちでできる感染対策にしっかり取り組み、やれる範囲できっちり練習に取り組みたい」と責任感を持って難局に臨む。

 さらに個人としても善意の行動を起こした。福岡県が設置した新型コロナウイルス感染者の治療などに当たる医療従事者への応援金に1000万円を寄付。看護師の母親から過酷な医療現場の現状を聞いたことを明かし、「日々大変な思いをされながら、医療を最前線で支えてくださっている。何か役に立てないか、日々考えていた」と感謝を示した。

 思いもよらぬ敵によって、グラウンド外でも大忙し。それでも、「野球ができない中、元気を与えることを発信していくことも大事」と力を込める。昨季は自律神経失調症や腰痛などの影響で44試合の出場にとどまった。復活を期すシーズン、V奪還を目指すチームをいろいろな局面で引っ張る。

写真=湯浅芳昭
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