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広島・中田廉投手 3大テーマに取り組み復活へ/生え抜きの輝き

 

中田 廉



 プロ12年目の右腕は今年で30歳を迎える。大阪出身の中田廉はチームの地元広島の広陵高からドラフト2位で2009年入団。中継ぎとして頭角を現し、6年目の14年にはセットアッパーとして66試合に登板するなど、リリーフの要として奮闘した。その後は故障などで登板機会を減らしたが、17年には53試合を投げ、連覇に大きく貢献。しかし18、19年は本領発揮とはいかず、登板数を減らして悔しいシーズンとなった。

 課題は明確だ。中田は好調だった17年を振り返り、「フォークが決め球として使えていたのと、外角への真っすぐがしっかり投げられていた」と分析した。加えて「18、19年と結果を残せてない中で、焦りもあったし、ここぞの場面で決めきれなかった詰めの甘さが自分の中でもあった」。昨季はシーズンのほとんどを二軍で過ごし、3年ぶりの1ケタ登板に終わった。

 復活をかけ、現在は3大テーマに取り組んでいる。「外角低めへの強い直球」、「決め球のフォーク」、「どのカウントからでも投げられるナックルカーブ」の3つだ。ナックルカーブに関してはこれまで実戦でほとんど投げてこなかった変化球の一つ。昨秋から完全習得へチャレンジを続けている。「もし今年それが使えたら、17年よりボールが1個増える。有利になってくると思う」。開幕延期期間で磨きをかけている。

 チームが覇権奪回するためには中継ぎ陣の再建が必須だ。中田は今季の目標について「いつ始まるか分からないですけど、1年間最後まで一軍に帯同して、投げ続けたい。空振り三振とか、見逃し三振をバタバタ取れる、圧倒的な中継ぎになりたい」と決意。生え抜き右腕の復活が、V奪還のカギとなるかもしれない。

写真=BBM
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