安定した守備で、投手陣を盛り立てる。安達了一が堅実な守備で遊撃を守っている。
打球反応がよく、守備範囲が広い。さらには肩も強く、三遊間の深い位置からでも、正確なスローイングを見せ続ける。「自分は守備で引っ張るタイプ。(初タイトルは)取れるなら取りたいですね。名前を残したい気持ちはあります。そのためには試合に出て、チームも上位に行かないといけない」と、自身初のゴールデン・グラブ賞の獲得を視野に入れる。
2016年に発症した難病「潰瘍性大腸炎」を患いながらプレーを続けている。昨季はシーズン序盤で二軍落ちも経験したが、56試合に出場し、打率.277の成績。投手陣からも信頼される高いディフェンス力が持ち味だ。
「難しい打球を簡単に捕れるようにと心掛けてます。ここ(遊撃)に飛んだら大丈夫と思ってもらえるように。究極は(失策)ゼロを目指したい」
規定試合数以上の出場で無失策ならNPB史上初。不可能に近いことでも、強い気持ちで向かっていく姿勢がある。
西村徳文監督は「ショートは安達が一番。体調を考慮して使っていかないといけないけど、ショートのレギュラーは安達です」と信頼を寄せる。
健康管理にも気を配る。「朝早くに起きて炭酸風呂に入るようにしています。体の目覚めや動きが良くなったように感じています」。血行を意識して試合に臨む背番号3は、白血病からの復活を目指す競泳・池江璃花子の姿に励まされたこともある。
「病気を公表すること、闘病中の自分の姿を見せること、それはとても勇気のいることだと思います。いつ、誰が、どういう病気になるか分かりません。周りの人が、自分が、もしそうなっても皆一人じゃありません。いろいろな方の助けがあって今の自分もここにいます」
病気とも闘いながらタイトルを狙う。
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