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楽天・浅村栄斗 勝負を左右する一発を放つ主砲/スタートダッシュに成功

 

四番の風格が漂う


 柔と剛を併せ持つ、驚がくの一発だった。7月5日のロッテ戦(楽天生命パーク)。同点で迎えた5回一死一、三塁の場面で、浅村栄斗が美馬のフォークに反応。低めに落ちる球を、右ヒザが地面に着きそうになりながらすくい上げた。高々と舞い上がった白球は、左翼席最前列で弾んだ。

 決勝の7号3ラン。今季6本目の決勝弾を放った主砲は、ナインと笑顔でヒジタッチ。「体が自然に反応して打てた本塁打。もう一度やれと言われても無理です」と満足そうに振り返った。

 開幕から四番に座り、西武戦までの26試合を終えた時点で両リーグトップの11発。そのうち5本が3打席目に放ったアーチだ。5日のロッテ戦でも3回二死二塁の第2打席では美馬のフォークで見逃し三振。しかし第3打席で、キッチリやり返した。

「1打席目よりも、2打席目。2打席目よりも3打席目と、今日はどれくらい変化しているかとか、真っすぐがどれくらい来ているか、目安ができてくる」。試合中での対応力は見事の一言に尽きる。

 まさに「ロケットスタート」だ。昨季は開幕から4月までの25戦終了時点で打率.287、5本塁打、18打点という成績だった。それに対し今年は26試合終了時点で打率.330、11本塁打、35打点と、驚異的な成績をマークしている。

 好調の理由を問われると「冷静に打席に入れていますし、ミスショットが少ないことがいい結果につながっている」とうなずいた。昨季は自己最多の33発。「ホームランを打とうとは思っていない」と語る主砲がどこまで数字を伸ばすのか。楽しみでならない。

写真=BBM
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