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巨人・岡本和真内野手 チームを支える若き主砲/スタートダッシュに成功

 

7月16日時点で本塁打はリーグトップ、打点2位、打率3位と好調を維持する巨人岡本和真


 あまりの暴れっぷりに、ベンチはお祭りムードならぬ“お辞儀”ムードだ。岡本和真は首位を走る巨人打線を、そのバットで引っ張っている。

「まだ始まったばかりなので、自分の成績も気にしていないし、チームが勝てればそれでいいです」という淡々とした語り口に、風格が漂う。四番に定着して3年目、今季は三塁守備に専念。オープン戦、開幕前の練習試合でも結果を出し続けた。6月19日の阪神との開幕戦(東京ドーム)こそ無安打だったものの、2戦目から10試合連続安打をマークするなど、チームのスタートダッシュを支えた。

 24歳の誕生日だった同30日のDeNA戦(東京ドーム)では、“バースデーアーチ”となる5号ソロなど2安打2打点。その時点の打率.475、12打点、5本塁打はすべてリーグトップの“三冠”に立った。7月14日からの広島戦(マツダ広島)では、3試合連続弾で3連勝に貢献。本塁打を放ってベンチに戻ると、若手だけでなく坂本勇人丸佳浩ら先輩選手が岡本に姿勢を正し、丁寧に頭を下げて迎える“イジリ”がおなじみとなり、主砲は毎度照れくさそうに微笑む。

 春季キャンプ中に自身の愛称だった『若大将』を岡本に授けた原辰徳監督は「いいスタートを切って、まさに若大将のごとくチームを引っ張ってくれている」と目じりを下げた。積極的にオーダーを変える指揮官も、唯一、四番だけを固定している。

 岡本は昨季、四番としてリーグ優勝を経験し、「僕が打てれば勝てる試合が増えるし、打てなければ難しい試合が増える、というのは感じました」と自覚を深めた。圧倒的な打撃は好調の勢いか、真の四番への“覚醒”か。若き主砲は、無心でバットを振り続ける。

写真=毛受亮介
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