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ソフトバンク・石川柊太 テンポの良い投げっぷり/復活を遂げた男たち

 

“念願の賞”獲得へ、石川にとってはここからが正念場だ


 完全復活を示すマウンドだった。7月1日の日本ハム戦(札幌ドーム)。今季2度目の先発となった石川柊太が、6回を投げ10奪三振の好投を見せた。被安打5、無失点の投球に救援陣も続き、チームは今季初の零封勝利。「こうして良い投球ができたのも、日ごろから支えてくれているトレーナーさんやスタッフの方々のおかげです」。2018年9月20日以来650日ぶりとなる白星を手にし、周囲への感謝を口にした。18年は先発、救援とフル回転し13勝を挙げたが、昨季は右ヒジ痛などの影響でシーズンの登板わずか2試合。オフから先発での復帰に強い意欲を見せてきたが、先発としては715日ぶりとなる白星をつかんだ。

 その白星を皮切りに、昨季の分まで躍動した。8月1日の西武戦(PayPayドーム)では被安打1で最終回まで投げ抜き、プロ入り初完投初完封を達成。チームとしても、今季の初完投初完封だった。この試合では自己最多の13奪三振も記録。無傷の6連勝をマークした後は白星に恵まれない試合が続いたが、9月13日の西武戦(PayPayドーム)では敗戦投手ながら1失点完投。同20日の楽天戦(同)でも黒星はついたが8回2失点と好投し、登板過多気味の救援陣を助けた。

 昨年はレギュラーシーズン中、ほぼ働くことができなかったが、「悪かったときっていうのも、案外いつまでも覚えていないものですよ」とさらりと言ってのける性格も大きな武器だ。13勝を挙げた18年は、無走者時の平均投球間隔が9秒台をマーク。昨オフの契約更改の席では「先発として“念願の賞”を獲れるように頑張りたい」と意気込んだ右腕が『スピードアップ賞』とともに、優勝の2文字をつかみにいく。

写真=湯浅芳昭
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