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中日・R.マルティネス投手 チームに欠かせぬ守護神へ/切り札は俺だ!

 


 横浜スタジアムのスコアボードに表示された161の数字。今季159キロ、そして球団最速となる160キロをマークしていたライデル・マルティネス投手がまた自己最速を更新した。10月2日のDeNA戦(横浜)。9回のマウンドに上がると、うなるような真っすぐを投げ込んだ。

「スピードのことは特に気にしていないよ。チームの勝利に貢献できるように、それ以外は特に考えてないよ」

 そう涼しげに話したが、まさに抑えの切り札である。福と祖父江との勝利の方程式は安定感抜群。中でも守護神のR.マルティネスは10月19日終了時点で、40試合に登板し2勝21セーブ、7ホールド、防御率は1.13。チームがこの時点で6回終了時にリードしていれば33連勝中というのも、この助っ人右腕あってこそだ。

 2017年に育成選手としてキューバから来日。当初は意外にもホームシックになり、よく自宅で一人、泣いていた。日本の練習は走るメニューが多く、不満げな表情を浮かべることもあった。

 しかし、小笠原孝二軍投手コーチから肘の使い方や、投球時の立ち方などを熱心に教えられた。オフに練習メニューをキューバに持ち帰り、地道なトレーニングを続け、一気に才能を開花させた。2018年には飛躍的にレベルアップし再来日。4月に支配下契約を勝ち取った。今では予定よりも多くの本数を走るほどになった。

 今季は開幕時は岡田俊哉が守護神だったが、不振に陥ると、R.マルティネスが代わって君臨。与田剛監督も「去年よりも力みが少なく感じる。コントロールもすごく安定しましたし、頼もしい」と全幅の信頼を置く。8年ぶりのAクラスへ、この男の存在は欠かせない。

写真=BBM
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