チーム内で新型コロナウイルスの感染者が続出し、一軍で活躍するチャンスが巡ってきた。高卒2年目の外野手・藤原恭大は主力が抜けた穴を補ってあまりある活躍を見せている。
荻野貴司が不在となった一番打者を担い「今やるべきことを1打席、1打席やって、最終的にレギュラーを取れたらいい」と目の前の試合に必死に取り組んでいる。
10月6日に今季初めて一軍に昇格。9日は敵地・福岡に乗り込み、
ソフトバンクとの首位攻防3連戦(PayPayドーム)の初戦に『一番・左翼』で先発出場した。
相手先発・左投手の
ムーアから適時打を放つなど、プロ初の猛打賞となる3安打1打点の活躍。「大事な試合だったので、勝つことだけを意識した。何が何でも塁に出る意識で打席に立った」と執念をにじませた。
今季は二軍で58試合に出場して打率.230、7本塁打、19打点と目立った数字は残していない。それでも「とらえる打球の確率が上がって、成長しているなと感じていた。一軍で勝負できるんじゃないかと思っていた。昨年と比べて違うなというのはあった」と自信を口にする。14日の
楽天戦(ZOZOマリン)では、実績豊富な
涌井秀章から初回先頭打者でプロ初本塁打をマーク。16日の
日本ハム戦(ZOZOマリン)でも先頭打者弾を放った。
大阪桐蔭高時代は、甲子園大会で春夏合わせて3度の優勝、3年時は春夏連覇を経験。大舞台での強さは折り紙付きで、
井口資仁監督は「持っている選手。彼が塁に出るとチームが盛り上がる」と目を細める。
首脳陣は昨季の
安田尚憲と同様、今季の藤原恭大を二軍でじっくり育成する考えだった。予期しなかった一軍の舞台。20歳のホープは「優勝争いのことを考えて打てるわけでもない。自分の打撃のことだけを考えてやっている」と重圧もどこ吹く風だった。
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