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ヤクルト・清水昇 絶対的セットアッパーに/2年目の明暗

 

力強いストレートを投げ込んでいる


 反骨心が、成長の源だ。清水昇は今季、勝利に導く重要なポジションを任され、フル回転の活躍を見せている。主に八回を任され、10月23日時点でチーム最多タイの44試合に登板し防御率3.13で、リーグ1位タイの27ホールドをマーク。もがき苦しんだ1年目から、見事に飛躍した。

 昨季は、ドラフト1位の即戦力として期待され先発も経験したが、11試合の登板で0勝3敗、防御率7.27。同期の同学年が躍動する中、二軍で汗を流すことが多かった。「上茶谷(上茶谷大河DeNA)や甲斐野(甲斐野央ソフトバンク)の活躍をいっぱい見ていました。うれしい部分はありますけど、やっぱり悔しさが勝っていたと思う」。今年に入ると、先輩投手を見つけては質問攻め。自身を変えるためケアや、準備の仕方を徹底的に学び、成長につなげた。

 人生の節目では、常に悔しさを糧にしてきた。帝京高3年夏には東東京大会決勝で二松学舎大付高に敗れ、惜しくも甲子園出場の夢はかなわず。「結構大きいポイントだったと思いますね。ここまでやっても、まだ上がいるんだと感じたので。もっともっとやりたい、大学で頑張ろうと思うきっかけになりました」。その後、国学院大で通算13勝を挙げ、プロの道を切り開いた。

 昨年、二軍監督として清水を見守っていた高津臣吾監督は「打たれたら精神的にしんどいときもあったと思いますけど、体調を崩さずここまで来られているのが一番ですかね。そこは大きな成長だと思います」と目を細めた。

 新人王の資格を有しており、広島森下暢仁巨人戸郷翔征が有力視されるが、清水も決してゼロではない。覚醒の先へ、歩みは止めない。

写真=BBM
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