一軍選手に新型コロナウイルスの感染者が続出し、左翼と遊撃のポジションが空いた。不測の事態に
楽天から移籍1年目の21歳・西巻賢二が、
藤岡裕大の離脱で抜けた遊撃を担った。7試合に先発して打率.286で、四球や犠打のつなぎも果たし「自分のやるべきことをやって、勝利に貢献するだけ」と懸命にアピールした。
昇格後2試合は
茶谷健太が遊撃で先発したが、10月9日の
ソフトバンク戦(PayPayドーム)に『九番・遊撃』で今季初スタメン。4回に相手先発・
ムーアから中前打を放って移籍後初安打をマークすると、2対1の6回一死二塁では右翼への大きな飛球で走者を三塁に進め、続く
藤原恭大の右前適時打につなげた。起用した
井口資仁監督は「下位打線でチャンスを広げて点が取れた」とうなずいた。
宮城・仙台育英高から2018年のドラフト6位で楽天に入団するも、わずか2年で育成契約を打診。昨年11月の秋季キャンプで、ロッテのテストに合格して入団した。
安田尚憲や藤原とは高校日本代表でともにプレーしており、すっかりチームに溶け込んでいる。
今季は二軍生活が長かった中で、寮では一軍の試合を研究することを心掛けた。「みんなと客観的な目線で見て話をしたり、自分で分析したりしながら見ていた」と語る。「自分がプレーしていたらどうするか」―─。常に頭の中でイメージしてきたからこそ、一軍での先発というチャンスをものにできたのだろう。
20日の
西武戦(メットライフ)から藤岡が復帰し、22日に登録を抹消されたが、今季の経験を来季の仕事につなげていく。
写真=BBM