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西武・スパンジェンバーグ 辻野球にマッチするユーティリティー野手/助っ人通信簿

 

アグレッシブなプレーも魅力だったスパンジェンバーグ


 最初から求められる理想像があまりにも高かった。3年連続の最多安打、打率3割超え、20本塁打以上、2ケタ盗塁、出塁率3割9分超えの成績を誇った不動の一番・秋山翔吾(レッズ)の後釜として新加入したスパンジェンバーグ。いきなりすべての期待に応えるのは、いくら2011年MLBドラフト1巡目選手だとはいえ、厳し過ぎるというものだ。

 ただ、もともと球団も、それだけのハイアベレージを一人の選手で補おうとは考えていない。主力選手それぞれの成長、若手の台頭なども加味した中で、どのぐらいの助太刀となるか。その意味では、打率.268、15本塁打、57打点、12盗塁、OPS.807は及第点と言っていいだろう。

 開幕から約1カ月は一番を任されていたが、打撃の不安定さから、その後は七、八番での起用が主となった。それでも8月からはアジャストし、同月の月間打率は.330、9月も同.284と数字も安定してきた。同時に四球数も増え、出塁率も両月とも3割8分台と上昇。10月に入り、月間打率.177と状態を落としたが、11月は7試合で打率.375と再上昇した。

 監督やコーチ、さらに栗山巧メヒアらチームメートにも自ら積極的に助言を求めに行き、改善に努める勤勉さも見せている。また、15本塁打が示すとおり、劣勢を打開できる爆発力も魅力だ。加えて、すでに盗塁数も2ケタに到達。走塁もあわせ、足での貢献も非常に高い。さらに大きいのが、守備の万能性だろう。今季は左翼、右翼、三塁で起用された。

 辻発彦監督の選手起用の特徴として、打力はもちろん、走力、そして守備のユーティリティー性も重要視している。それだけに、まさに指揮官好みの選手として、辻ライオンズにマッチしている助っ人と言えるだろう。

写真=BBM
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