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DeNA・伊勢大夢 安定した投球を続けるドラ3右腕/来季こそ主力に

 

10月28日の巨人戦(横浜)では2イニングを投げ、3勝目を挙げた伊勢(写真右)。伊藤光とお立ち台に上がった


 記念球をギュッと握った。照れくさそうにヒーローインタビューを受けた。「ドキドキしました。率直にうれしい気持ちです」。伊勢大夢が輝いたのは、10月10日の阪神戦(甲子園)だ。3対3の同点で迎えた5回からリリーフ登板。2回を無失点で切り抜け、味方の勝ち越しによってプロ初勝利が転がり込んできた。「1年目でこれだけ安定した結果を残している。投げる度に良くなっている。期待して信頼できる投手」と拍手したのはラミレス監督。新人右腕には最高の褒め言葉だった。

 明大では広島森下暢仁の2番手投手として実績を積み、昨年のドラフト3位で入団した。与えられた背番号は、中日の守護神としてプロ野球記録となる通算407セーブを挙げた岩瀬仁紀氏と同じ「13」。「リリーフとして50試合登板を目指したい。いつかは山崎(康晃)さんにつなげられるレベルまで、頑張って上り詰めたい」と目標設定した。150キロの直球にスライダー、フォークが武器。前途は明るかった。しかし、今年1月には地元・熊本県内で交通事故を起こし、首や胸、手首を打撲。必死になって出遅れを取り戻した。

 新型コロナウイルスの影響で3カ月遅れとなった開幕は一軍メンバー入り。7月16日の出場選手登録抹消を経て、8月21日に再昇格を果たした。大崩れすることなく、9月は8試合で計8回を無失点。ここまで23試合で1勝3ホールド、防御率1.44と好成績を残している。1998年以来のセ・リーグ優勝は厳しくなったものの、かつて弱点だったブルペンは充実の傾向にある。同じ右の三嶋一輝国吉佑樹平田真吾らに匹敵する能力は兼ね備えている。
 まだプロ1年目。しびれる場面が役目になるのも時間の問題だ。
写真=川口洋邦
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