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西武・栗山巧 自身四番初本塁打でチームを激しく鼓舞/2020年のベストゲーム

 

シーズン最終盤、四番に座って勝負強い打撃を見せた栗山


 11月3日の日本ハム戦(メットライフ)は、今季の殊勲者たちがそろって活躍したシーズンの象徴ともいえる一戦だった。今年、打撃陣で最も充実のシーズンを送ったのが、栗山巧だろう。打率.272はチームトップ、キャリアハイに並ぶ12本塁打と、19年目にもう一つギアを上げた印象がある。開幕直後から順調なスタートを切り、9月からは主にクリーンアップで起用されると、し烈な2位争い渦中のシーズン残り15試合では四番に。シーズン通して勝負強さを印象づける殊勲打も多かった。

 この試合もその1つだったと言えよう。2回表に先発の高橋光成が2点を失った。この試合に勝てば2位浮上の可能性があった。しかも相手は今季大きく負け越している日本ハム。2点ビハインドは数字以上に大きなダメージに感じられた。だが、3回裏である。自身四番での初本塁打となる2ランで一気に同点に追いつき、チームをもり立てる。さらに再び逆転を許し3対4で迎えた6回裏には先頭打者として、3番手のマウンドに上がった直後の堀瑞輝から中前打で出塁し、同点の走者として生還した。その打棒で、何度も沈みかけそうになるチームに勇気を与えてきた、まさに栗山らしい貢献ぶりだった。

 もう1つ象徴的だったのが、6回に同点に追いついてからの展開だ。7回には、シーズン途中から勝ちパターン入りを勝ち取った森脇亮介、8回は今季最速160キロを記録した平良海馬、そして9回に絶対的守護神・増田達至と盤石リレー。急躍進を見せた森脇に勝利がつき、増田はこの1セーブが通算136セーブ目となり、球団記録を更新した。

 これらは結果的に打線、先発陣が低迷した中、中継ぎ陣が粘ってチームを支えたという今季の戦いぶりを如実に物語っていた。

写真=BBM
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