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次代を担う後進に道を譲ったオリックス・山崎勝己/2020年のベストゲーム

 

オリックス山崎勝己は通算成績はプロ20年間で943試合、通算打率.196、4本塁打だが、貢献度はその数字以上だ


 涙の花道に白星を飾った。山崎勝己が今季の本拠地最終戦となった11月6日の日本ハム戦(京セラドーム)でユニホームを脱いだ。

 8回一死から代打で登場。打席に入る前から、目には涙が浮かんでいた。打席結果は三ゴロ。凡打に倒れるも、一塁まで全力疾走を怠らなかった。

「(現役引退に)すっきりした。本当に練習、試合と一生懸命やってきましたが、その準備をもうしなくていいんだなあ、と。その気持ちが一番強いです」

 9回は慣れ親しんだ定位置でマスクをかぶり、若き右腕・鈴木優をリード。二死から日本ハム・大田泰示に左翼フェンス直撃の二塁打を浴びたが、続く中田翔を中飛に打ち取り、1点差を守り切った。

 この日はドラフト1位・宮城大弥が先発。プロ初勝利をマークした19歳左腕に、試合後はウイニングボールを手渡した。引退セレモニーでは、これまで何度もバッテリーを組んできた比嘉幹貴ディクソンから花束を受け取り、同じくコーチに転身予定の小島脩平松井佑介と場内を一周し、ファンに頭を下げた。最後はチームメートに囲まれ、ホームベース上で宙を舞った。

 プロ生活20年で943試合に出場し、通算打率は.196、4本塁打。あまり高い数字を残すことはできなかったが、後輩にも慕われる選手だった。

 この日は頓宮裕真が、2回一死二塁で惜別の逆転2ランを放った。打席に入る際には、山崎勝が登場曲として使ってきたフジファブリックの『徒然モノクローム』を流して打席へ。引退試合を観戦にきた場内のファンは沸いた。

「球団からもう少し力を貸してほしいと言われた。(チームに)残していただくので、次の試合も頑張りたい」

 涙のベストゲームで、次代を担う後進に道を譲った。

写真=BBM
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