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DeNA・佐野恵太 強力打線で圧倒/2020年のベストゲーム

 

10月13日のヤクルト戦(神宮)、勝ち越し2ランを放った佐野


 まさにラミレス・ベイスターズの集大成と言える一戦となった。10月13日のヤクルト戦(神宮)は、5回まで1対1の緊迫した展開となったが、ベイスターズ打線はたった2イニングでワンサイドゲームに持ち込んだ。

 まずは6回に佐野恵太が高梨からバックスクリーンにたたき込む勝ち越し2ラン。7回は長谷川宙輝に対し、宮崎敏郎が3ランを放って試合を決めた。この時点でチームの複数本塁打は9試合連続となり、田代富雄チーフ打撃コーチが主軸打者だった1977年に球団がマークして以来のセ・リーグ記録に並んだ。
 ただ、DeNA打線はこれで終わらなかった。場の雰囲気に後押しされたように、続く大和も初球を思い切りよく振り抜き、3号ソロを左翼席に運んだ。

 1試合3本塁打以上は4試合連続に伸び、65年以来、実に55年ぶりの球団タイ記録となった。外国人トリオが調子を上げたチームは、この一戦で10月の10試合で計25本塁打を重ねたことになる。77年の記録を「そんなことあったんだ」と苦笑いした田代コーチも「記録が生まれたのはロペス、ソトオースティンの状態が上がってきたから」とした。ただ、2つの快記録に並んだ節目を助っ人以外で成し遂げたのは、チーム全体の快挙と言っていい。

 首位打者争いの渦中にいた佐野はラミレス監督から「ヒットを欲しがって当てにいくな」と助言されていたことを明かし、この後球団タイの5戦連続本塁打に記録を伸ばしている。ラミレス監督がチームに浸透させた、ファースト・ストライクから積極的に強振するスタイル。この夜は鮮やかな記録と記憶が刻まれた。
写真=川口洋邦
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