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芽生え始めた主砲の自覚 ロッテ・安田尚憲/増した責任感

 

今季87試合で四番に座ったロッテ安田尚憲


 高卒3年目の安田尚憲は、今季120試合のうち87試合で四番に座り、チームの勝敗を背負い続けた。

「自分は4番目に打つだけ」と繰り返してきた一方で「終盤戦は緊張感のある打席が増えた」と仕事の重さも痛感した。初めて出場したクライマックスシリーズ(CS)では2試合で4打点をマークし、1年間での確かな成長を示した。

 11月14日の第1戦は七番で先発して千賀滉大から先制2ランを放つと、翌15日の第2戦は四番に返り咲いた。1回一死二、三塁で東浜のシンカーをとらえて、左中間への先制2点二塁打。2試合連続の先制打で、主砲の仕事をきっちりと果たした。

 2回と4回の打席は、ともに二死一、三塁で空振り三振に倒れた。この日は3安打したものの、三度の好機を一度しか生かせず。「特に4回の打席で1本打っていれば、試合の流れは変わっていたかもしれない。まだまだ実力不足」と唇をかんだ。

 秋季練習では、井口資仁監督や河野打撃コーチの指導を受けながら、徹底的に打ち込む姿があった。バットのトップの位置を深く取り、ストレートに振り負けないスイングを模索。井口監督は「本塁打は20本くらい最低打ってもらわないといけない。打率に関しても、3割近くは打てる打者だ」と大きな期待を込めた。

 今シーズン途中に腰を痛めて離脱したレアードが復帰すれば、三塁手のレギュラー争いは振り出しに戻る。今季の打率.221、6本塁打、54打点から数字を改善するのは絶対条件。来年4月15日で22歳になる若武者は「今年の数字で来年も一軍の試合に出るというのは考えられない。試合に出させてもらえるような実力をつけて、来年もう一回、頑張りたい」と自覚をにじませる。

写真=BBM
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