8年ぶりのAクラスに入った与田剛監督が2021年に掲げるスローガンは「昇竜復活その先へ」。「その先」とはズバリ「優勝ですね」とキッパリ。
「本当に2年間、選手もスタッフも力を付けてきた。あと1歩、2歩、力の差を感じるところもありますが、何とかそこを追い付き追い越せなんじゃないかという思いが強くなった」と11年以来のVを見据える。
課題は明確だ。「数字に分かりやすく出ている。ホームラン数、機動力、そういったところもまた教育をしなければならない」。本塁打は12球団最少の70本。盗塁数33はリーグ5位。得点429はリーグワーストだった。大島、京田らへの盗塁への意識改革はもちろん、19年に3Aで26発、打率3割8厘をマークした左打ちの
マイク・ガーバー外野手(28歳、ロッキーズ)を獲得し得点力アップを狙う。
勝利の方程式が確立したことも21年を占う上では大きい。祖父江、福、
R.マルティネスの「大福マル」トリオに加え、谷元や又吉も奮闘し、6回終了時にリードしていれば37連勝をマークするなど、盤石だった。
指揮官は「どんどんパターンを増やしていかないと。やっぱり疲労も出てくるし、大きなけが人を出さないように、できれば2パターンぐらい、いいパターンをつくれればいいなと思っている。どんどん競争していってもらいたい」と意気込む。
経験のある田島、岡田、鈴木博ら復活を期すリリーバーたちの働きも大事になってくる。先発陣は沢村賞左腕の大野雄はもちろん、福谷、柳、梅津らがどこまで数字を残せるか。勝つ形は見えてきただけに投打がしっかりかみ合えば、「その先」が現実になってくる。
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