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西武・辻発彦監督 新人野手も積極起用して定位置争いを活性化/指揮官が見据える2021

 

21年は5年目の指揮を執ることになる辻監督


 2018年、19年と圧倒的な打力で連覇を果たしただけに、20年も同様に本塁打王の山川穂高、首位打者の森友哉、打点王の中村剛也らを軸に打ち勝つスタイルでの戦いが期待されてた。だが、いざ開幕すると、打撃の猛者たちがそろって低迷。一方で中継ぎ陣が抜群の安定感を誇ったので辻発彦監督は途中から、試合によってはバントを多用する戦い方へと転換し、3位まで順位を上げた。

 学んだ教訓から、「その日の選手たちの能力、チーム力を、こちらがしっかりと把握して、戦い方を明確にしていかないと優勝はない」と指揮官は痛感したという。「来季(21年)、あらためて選手たちがガンガン打つようだったら、その戦い方にすればいい。でも、それができないとなったら、例えば先発などによって、『取れるときに1点取る』ことをしていく必要がある」。そのために、秋季教育リーグに参加した二軍には、いかなる策にも対応できるよう、細かなことはやらせておくことを要請した。目指すのは、「ここで1点を取るためにはどうしなければいけないのかを、しっかりと試合でできるチーム」だ。

 もう一つ、5期目を迎える監督が現時点で21年のチームに求めたいと思っているのが、『厳しさ』である。特に、ここ数年チャンスを与えられつつも一軍定着できていない若手、中堅に対しては、その多くの原因が負傷離脱だけに「本当に良い選手は絶対にケガをしない」と、一軍で活躍できる体作りを強く課す。さらに、「過度な期待はできないが」と前置きしつつも、ドラフトで獲得した新人野手陣の積極起用も検討。「それではじき出される選手もいる。そこですごく激しい競争が生まれてくると思う。面白くなりますよ」定位置争いを活性化し、レギュラー陣のも闘争心と切磋琢磨を促していく。

写真=BBM
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