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ソフトバンク・松田宣浩 誰よりも熱く! 若手を寄せ付けない高き牙城/生え抜きの輝き

 

開幕サードは、やはり松田だった。今季は期待に応えることができるか!?


 球場が一体になった。ホークス名物、ファン待望の瞬間がやってきた。オープン戦も終盤、3月17日のDeNA戦(PayPayドーム)の3回。先頭の松田宣浩入江大生の147キロの直球を左翼席中段に突き刺した。オープン戦11試合、25打席目の“1号”。「1本も打てずに開幕するよりは、やっぱり打ててよかった」。余韻は抑えめながらも、「熱男ー!」の咆吼がこだました。

「コロナ禍はまだ続くけど、『熱男』を楽しみにする声をたくさんいただいた。期待に応えたいなと思っていた」

 オープン戦序盤は低空飛行。周囲をやきもきさせたが、中盤から上昇カーブを描いてきた。バットを寝かせて構えるか、担いで構えるか、じっくりと試行錯誤。「これまでの引き出しはたくさんあるんで」。結局、担いで構えるほうに好感触を得て調子を上げたのだった。「ボールへの入り方が良く、『間』もでき始めているのかなと思う」。自身のバッティングを収めた動画を10年以上もさかのぼって見返し、研究した成果でもあった。

 通算1728安打、287本塁打。ただ昨季は打率.228に終わり、連続試合出場も815でストップした。「ポスト松田」の言葉が盛んに聞かれ、チームも今春キャンプから若手を試した。増田珠リチャードに加え、打力を生かして内外野でブレークした捕手・栗原陵矢もだ。もっとも実際のところ、サード・松田の牙城を脅かすには至らず、ほとんど無風だったと言って差し支えない。

「体も問題ない。いつでも試合に出続けていたい」。生え抜き16年目、今年5月で38歳。反転攻勢、まだまだ老け込む様子はない。

写真=湯浅芳昭
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