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DeNA・牧 秀悟 チームの苦境に気を吐く新人/スタートダッシュに成功

 

ソトオースティンの合流で「二番・二塁」という新たなポジションで起用される牧。守備の負担が打撃に影響しなければよいが……


 打った牧秀悟の第一声は「本当ですか?」だった。歴史に名を刻み、ベイスターズの一員であることを実感した瞬間。4月6日の中日戦(バンテリン)で訪れた。3点をリードした9回に鈴木博志の高め直球をフルスイング。左翼席へ2号ソロを突き刺した。球団通算8000号のメモリアル弾とオマケ付き。「びっくりです。名誉なことなので、うれしい。チームのために1本でも多く打ちたいです」と声を弾ませた。

 中大3年春に首位打者、秋はMVPに輝き、大学日本代表の四番も務めた好打者。昨年のドラフト2位でDeNAに入団した。「地道に努力して、チャンスに強いところをアピールしたい。チャンスで牧に回れば得点できる。そう思われる選手になりたい」。背番号は長く主軸として支えたロペスの「2」を継承。大きな期待を背負った。

 キャンプから一軍で技量を磨き、初実戦となった2月7日の紅白戦では1打席目にいきなりの初アーチ。左腕・坂本裕哉の内角球を左越えへ運び「すごく自信になりました」と力強く前へ進んだ。

 二塁を本職としながら、来日が遅れたソトの不在で一塁コンバート。「試合に出られるなら準備したい」と意識は高く「三番・一塁」で開幕スタメンを果たした。開幕2戦目にプロ初安打を放つと、3月31日のヤクルト戦(横浜)でプロ初本塁打。スタートダッシュに失敗する苦境で気を吐き、すでに9度の複数安打を記録している。常に謙虚さを忘れず、ここまで打率.360、5本塁打、17打点もチームトップ。ただのルーキーと思ってはいけない。
写真=大賀章好
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