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広島・菊池涼介内野手 攻めるプレーを見せながら、着実にアウトを重ねる/守備職人のプライド

 


 言わずと知れた守備の名人が広島にはいる。鉄壁二塁手の菊池涼介だ。昨季は二塁手ではプロ野球史上初のシーズン無失策を記録し、8年連続8度目のゴールデン・グラブ賞を受賞。抜群の判断力と守備範囲で、幾度とチームを救ってきた。

 連続無失策の新記録樹立を期待された今季は、シーズン序盤にまさかの失策を記録した。4月2日のDeNA戦(横浜)の8回、二死一、二塁から、菊池涼はDeNA桑原将志の二遊間へのゴロに猛スピードで前進、一度はグラブに入ったボールがこぼれた。厳しい判定は物議を醸したが、結果的に2019年9月16日のヤクルト戦(マツダ広島)以来の失策が記録され、連続無失策は「569」でストップした。

 攻めた結果だった。菊池涼は失策した場面をこう振り返っていた。

「あそこで待って内野安打になるくらいだったら、攻めてチャレンジしたほうが投手としても納得できるかなと思った。僕的にはいつもどおりのプレーです」

 今季の失策はわずかにその1つ。勇猛果敢に攻めるプレースタイルで、着実にアウトを積み重ねている。

 いくつかこだわりがあるグラブの薬指部分の外側には「GOD SPEED」の刺しゅうがほどこされている。「足の速い選手で一塁まで3.7秒。どんな形であれ一塁手まで3.5秒以内に投げなければアウトにならない。スピード重視ということ」。

技術、計算、準備、経験、判断力など、あらゆる要素が組み合わさって、その異次元のプレーは生み出されている。

写真=BBM
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