来日2年目のT.ビエイラが急成長を遂げている。前半戦を終えて34試合の登板、0勝、0敗、9セーブ、1ホールド、防御率2.52。5月3日の
広島戦(マツダ広島)から23試合連続無失点を続け、離脱の多いR.デラロサに代わってクローザーの座をつかんだ。
「クローザーでも、中継ぎでも、どんな状況で投げようとも、自分にとっては変わりません。とにかく投げることが大好き」と語る右腕は、“練習の虫”だ。キャンプ中は宿舎に引きあげた後も門限時間まで外をランニングし、夜も自室で体幹トレーニングに励んだ。少年時代に母国のブラジルで日系人たちとともにプレーしていたビエイラは、地道に練習に取り組むことが良しとされる日本流のスタイルが合っていると言い、「毎日、一生懸命、練習して、結果を待つだけ」と黙々と腕を磨いている。
来日1年目の昨季は、シーズン前半は制球難で二軍降格も経験したが、後半は一軍に定着。
ソフトバンクとの日本シリーズではシリーズ史上最速の164キロを計測するなどして存在感を示した。
今季前半戦のパフォーマンスもあり、全セの指揮を執る
原辰徳監督による監督推薦でオールスターにも選出され、第1戦、4対4の同点の8回にマウンドに上がり、初球から163キロをたたき出すなど、剛球を投げ込んだ。
野球少年のような心を持つ助っ人は、日本で大きなステップアップを見せている。
写真=BBM