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阪神・近本光司 一番打者の足が優勝のバロメーター/タイトルホルダーの意地

 

3年連続盗塁王と優勝をつかみ取るためには打って出ていくことが必要になってくる。現状安打数はリーグトップとこれからも打ち続けていく


 今シーズンの近本光司の盗塁が相手チームからさらに警戒されている。そのマークをかいくぐって次の塁を陥れながら役割を果たしてきた。

 ルーキーイヤーから2年連続の盗塁王。これまで本人は「だんだん僕の下の後輩が増えてきて、僕ももうちょっと引っ張っていけるように」と話してきた。

 社会人出身の3年目。不動のトップバッターの近本は、チームメートで新人の中野拓夢ヤクルト塩見泰隆ら若くて足のある選手たちと盗塁数を競い合いながらチームの勝利に貢献している。

 近本は「ただ塁に出ることだけじゃない。しっかりとホームに返ってくることが大事だと思っています」と得点につながることに存在意義を求める。

 チームでは守護神・スアレスにつなぐのが継投の勝ちパターンなら、近本がスタートを切って盗塁を決めるのは攻撃面での勝利の方程式といえるだろう。

 もっとも3年連続盗塁王のタイトルを手中にするには打って出ることが必要になってくる。開幕直後は不振だったが5月から上昇してきた。

 昨季の打率.293はリーグ9位で3割の大台には届かなかった。阪神で年間全試合の過半数にスタメン出場した中堅手では赤星以来の3割も狙う。

 矢野燿大監督が「近本が塁に出るのが一番のプレッシャーになる」と言う。近本がいかに打って、走って、かえってくるかは優勝へのバロメーターになるのだ。

写真=BBM
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