昨季のブレークが偶然ではなかったことを証明している。
DeNAのキャプテン、佐野恵太は首位打者を獲得した昨季に続いて打率3割超でのフィニッシュが目前だ。オフにはユニフォームを脱いだ初代キャプテンである
石川雄洋から背番号7を直々に譲り受けて、入団以来の44から変更。過去には本塁打王1回、打点王2回の助っ人・
ポンセや、マシンガン打線の中軸を担った
鈴木尚典ら、歴代の好打者が付けてきた伝統の背番号にふさわしい活躍を見せている。
三浦新監督の下でも四番でスタートしたが、高打率を買われて5月下旬から三番の
オースティンとスイッチ。シーズン終盤に入ってからは二番で起用され、
桑原将志、オースティン、
宮崎敏郎の4人の3割打者と、スーパールーキー牧が並ぶ上位打線の切れ目を無くした。つなぎ役にとどまらず、9月29日の
ヤクルト戦(神宮)から10月3日の
巨人戦(東京ドーム)までは5試合連続で打点をマーク。勝負強さの持ち味も発揮し、開幕から二番打者に主に小技タイプを起用してきたチームに変革をもたらせている。
10月1日の巨人戦(東京ドーム)は
菅野智之からの本塁打で連続打点をつないだ。意表を突いた外寄りのスライダーだったが、完璧なタイミングでとらえて左中間スタンドにはじき返した。菅野に対しては昨年に続いて対戦打率が5割を超えており、巨人エースの投球からは苦手意識が明確に見て取れる。チームは最下位に沈んでいるが、新・背番号7は打者として確実に足場を築くシーズンを送っている。
写真=松田杏子