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DeNA・牧秀悟 最後まで勢い止まらず、充実の1年目/飛躍のシーズン

 

10月26日のヤクルト戦(横浜)で二塁打3本を放って、新人シーズン最多二塁打のセ・リーグ記録を更新


 パフォーマンスはルーキーとしての域を超えていた。体力勝負のシーズン最終盤に入っても、牧秀悟の勢いは止まらず、ルーキーイヤーは137試合に出場し、487打数153安打、打率.314、22本塁打、71打点と圧巻の数字を残した。10月26日のヤクルト戦でシーズン35本目の二塁打を放ち、1958年の長嶋茂雄(巨人)が持つ新人シーズン最多二塁打のリーグ記録を更新し、14度目の猛打賞は長嶋の新人記録最多記録に並んだ。

 10月6日には四番を務めるオースティンが左ふくらはぎの肉離れと診断されて出場選手登録を外れると、同日の阪神戦(横浜)で初の四番に抜てきされた。「四番と聞いて驚きはありましたが、試合前に三浦大輔監督から『いつもどおりのプレーをしてくれ』と言われたので、あまり意識せず試合に臨めました」。その初打席で相手エース・西勇輝シュートを左前に弾き返し、続く四回も内角球をさばいて左翼線二塁打とした。試合は0対2で敗れたが、新四番の躍動を三浦監督も「状態もいいし、勝負強いというところで四番にした。牧らしい打撃だった」と頼もしそうに語った。

 その勝負強さはデータが証明している。満塁での打率は.467に上昇し、走者三塁の状況では5打数4安打の8割。67打点をアウトカウント別に見れば、二死からの打点が35で最多になっている。いかに「ここぞの1本」が多いかが分かる。打率ランキングの上位を独占しても、なかなか得点につながらず低迷した今季のDeNA攻撃陣。牧のバットが来季の巻き返しの命綱となる。
写真=小山真司
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