いつかは、神宮の外野を定位置としてファンの前を駆け回る。ドラフト2位の外野手、丸山和郁は新人で唯一、一軍キャンプに帯同。明大では主将を務め、即戦力として期待される22歳はプロの壁を感じた。
「驚くことばかり。送球にしろ、捕球にしろ、一つのティー打撃にしろ。本当にレベルが高くてすごいなというのが第一印象です」
自身に足りないものも、はっきりした。武器は50メートル走5秒8の俊足。前橋育英高3年時には、夏の甲子園で大会記録となる8盗塁をマークした。守備範囲も広く、安定した送球ができる強い肩も魅力で、守備と走塁は、キャンプ中にも高い能力を見せた。ただ、課題は打撃。2月16日のシート打撃では無安打に終わり「まだ一軍の投手のレベルについていけてないのが実際のところ。1日でも、1時間でも、1秒でも早く投手の球に慣れるというのが大事になってくる」と振り返った。
外野手争いはし烈だ。左翼には日米通算2593安打のレジェンドで自身があこがれる
青木宣親がおり、中堅は昨季140試合出場の
塩見泰隆、右翼には同19本塁打の
サンタナがいる。ほかにも同じ左投げ左打ちの
山崎晃大朗や、昨季代打で結果を残した
宮本丈、快足が武器の
渡邉大樹や
並木秀尊らの名前が並び、一軍入りも容易ではない。ただ、打撃が開花すれば丸山和にも大いにチャンスはある。高評価を受ける守備と走塁を生かすためにも、バットを振り込む毎日だ。
「開幕一軍が現段階での目標」。将来的にレギュラーとして期待される若武者が、鍛錬の日々を過ごす。
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