遅まきながら、頼れるバットマンが戻ってきた。8月30日の
西武戦(楽天モバイル)。二番・DHで先発出場した島内宏明が5打数3安打1打点。今季初の猛打賞で6対4の勝利に貢献。チームはここまで8連敗中と苦手にしていた相手右腕の
今井達也から、価値ある白星をもぎ取った。
春先からは極度の打撃不振に陥って、7月6日に出場選手登録を抹消。二軍暮らしは約1カ月も続いた。近年は四番に座ることも多かった好打者にとって屈辱の日々だったが、無駄にはしなかった。若手に交じって連日、懸命にバットを振り、自らを見つめ直した。「体力的にちょっと向上した」と言う。
8月11日に一軍に復帰すると、同月は15試合に出場し、打率.375、1本塁打、6打点と復調モード。9月12日の
ロッテ戦(ZOZOマリン)では1点を追う3回、一死三塁で中前へ適時打を放つなど本来の勝負強さも発揮。4打数3安打1打点で、今季2度目の猛打賞をマークした。
プロ12年目の今季は、自身にとって最も不本意なシーズンとなることが濃厚だ。それでも最後まで集中力は切らさない。「挽回しようにもできないが、与えられたところで仕事をしたい。もう残り試合も少ないので、頑張りたいと思います」と悲壮な覚悟を口にした。
昨季は最多安打のタイトルを獲得し、自身初のベストナインにも選出された男が、このままでは終われない。9月24日の
日本ハム戦(楽天モバイル)では右翼スタンドにサヨナラ2ラン。残り試合もチームの勝利のために戦うだけだ。
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