何かを起こす予感が漂う。期待に結果で応える選手だ。プロ10年目を迎えた岡大海。安打数など打撃部門でキャリアハイの数字を残し、充実のシーズンを送る。吉井監督も元気な中堅の活躍に、「岡は生え抜きじゃないですけど、チームのために本当に頑張ってくれていると思います」と目を細める。
負けられない最終盤で勝負強さを見せた。9月30日からの
西武4連戦(ZOZOマリン)では全試合で打点を挙げる活躍。2戦目の10月1日は7回二死満塁の代打に登場。初球を逃さず、振り抜くと左前へ逆転の2点適時打。
「打席に入る前はけっこう緊張したが、声援で勇気も出て打席に立てた。とにかく思い切っていった」
同3日には自己最多となる7号アーチを架けた。
ケガに苦しみ、1年間戦えなかった荻野や藤原ら好不調の波がある若手がいる外野陣の中、角中とともに先発起用やここぞという場面での代打を担ってきた。
チームへの貢献度は高まった今季も、「僕自身レギュラーじゃないので、その場面、場面で結果を残せないといけない立場」と決して浮かれることはない。常に心構えはシンプル。
「しっかりできること、役割をやっていきたい。そのことだけを考える」と語る。
「毎年、必死にやっています。まだまだ納得いく数字ではない。安心しないように、ガツガツいきたいなと思う」
飛躍のシーズンの中で、「ガツガツいきたい」は常々繰り返してきた言葉。熱い向上心を胸に秘め、これからもクールにチームを支えていく。
写真=矢野寿明