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ロッテ・小島和哉 「変化」で投げ抜いた1年/わがチームの“○○王”

 


 また一段と心強い存在に成長した。小島和哉は自己最多の158回1/3を重ね、チーム唯一、そして3年連続の規定投球回に到達。先発陣で離脱者が相次いだ中でも、しっかりと1年間投げ抜いた。

 初の開幕投手から始まった今シーズン。序盤は相手打線を研究し、データに基づいた投球がさえた。交流戦を迎えるまで5勝(1敗)。順調に滑り出したが、6月以降は2カ月以上白星から遠ざかった。8月13日の西武戦(ZOZOマリン)で6回無失点で久々に勝利投手になっても、「6回で代わるようでは話にならない」と自らを責めた。

 もどかしい時期を抜け出すヒントは、指揮官の言葉だった。5回もたずに降板した7月15日の楽天戦(ZOZOマリン)の翌日、吉井監督から監督室に呼ばれた。抱えていた悩みを打ち明け、監督の思いも聞いた。完璧を求め過ぎる左腕に、時には大胆な姿勢も大事と助言。

 熱い言葉をくみ取った左腕は、最終盤で真価を発揮。10月10日の楽天とのシーズン最終戦(楽天モバイル)。負ければ4位転落、勝てば本拠地でのクライマックスシリーズ(CS)開催権を得る2位。厳しい状況の中、「打者との肌感、自分の感性を重要視した」。気迫を前面に出して7回を無失点。勝利に導く好投だった。

 チームの先頭を走る左腕は、まだまだ満足していない。

「1年間投げるのは当たり前。どれだけ質の高い試合を多くできるかが来季の目標」

 投球回は170イニングを目安に掲げた。チームが栄冠を勝ち取るため、懸命に腕を振る。


写真=松岡昌平
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